ジェネリック医薬品の躍進

 
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原崎 (HARASAKI)
1985年生まれで医学・薬学・性・Webの知識を高める為に日々勉強。
自分の経験・知識で、悩みのある人を元気に、安心を与えられればと、その気持ちを原動力に医学を学んだ結果、婚期を逃し今に至ります。

視力:0.1
好きな眼鏡の色:黒
口癖:ちくしょうっ・・・

ジェネリック医薬品の特徴

巨額の費用を投じ、いくつもの困難を乗り越えて何とか開発に成功したブロックバスター。

先発医薬品企業は、このブロックバスターを販売することで、それまでに投じた研究開発費の回収を行いつつ、新たな医薬品の研究開発を進めていくことになります。

しかし、ここで新たな難題が発生します。それが、ジェネリック医薬品の参入です。

ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同一の有効成分を同一量含有し、効能・効果、用法・用量が原則的にその先発医薬品と同じ医薬品のことです。

先発医薬品と同一の有効成分を含有するものであることから、一定の要件を満たせば、先発医薬品に比べて簡略なデータを提出することで薬事承認を受けることが可能となります。

そのため、研究開発に必要な期間は3~5年と先発医薬品に比べて短く、必要な研究開発費も約1億円程度で済むといわれています。

日本においては、医薬品の価格(薬価)は厚生労働大臣により定められますが、ジェネリック医薬品の薬価は先発医薬品の50%(10品目を超える内用薬は40%)と定められています。

ジェネリック医薬品の薬価は低く抑えられていますが、先発医薬品の研究開発費300~1000億円に比べて、ジェネリック医薬品の研究開発費は低コスト(1億円程度)で開発をすることが可能であることから、薬価が低くてもジェネリック医薬品企業は十分な利益を上げることができるのです。

先発医薬品とジェネリック医薬品の比較表

先発医薬品ジェネリック医薬品
有効成分同一同一
添加剤同一とは限らない
同一とは限らない
効能・効果、用法・用量原則的に同一原則的に同一
生物学的同等性同等同等
薬事承認申請資料必要不要
研究開発費300~1,000億円約1億円
研究開発期間9~17年3~5年
薬価先発医薬品の薬価×o.5

政府によるジェネリック医薬品使用促進

 政府によるジェネリック医薬品使用促進

従来、日本においては、ジェネリック医薬品は、その品質や安定供給の点での課題が指摘されていたため、積極的には推奨されていませんでした。

しかし近年、医療費が増加し続けているため、これに対応することが大きな政策課題となっており、医療費の中で一定の割合を占める薬剤費を効率化することを目的として、政府は2002年よりジェネリック医薬品使用促進策を実施しています。

具体的には、ジェネリック医薬品の普及啓蒙活動に加え、安定供給や品質の確保に向けた指導など種々の政策を実施しています。

国民医療費の推移

国民医療費の推移

医薬品使用促進政策の結果、ジェネリック医薬品の数量シェアは近年増加しています。

しかし、2013年10月~2014年9月において、欧米でのジェネリック医薬品のシェアは、米国92%、ドイツ83%、イギリス73%、フランス64%などであるのに対して、日本においては49%にとどまっており、海外主要国に比べ、日本においてジェネリック医薬品が普及しているとはいえません。

ジェネリック医薬品の数量シェアは近年増加しています。

このような状況を背景として、2015年6月の閣議決定において、ジェネリックの数量シェア目標として「2017年央に70%以上、2018年度から2020年度末までのなるべく早い時期に80%以上」が掲げられるなど、政府は引き続きジェネリック医薬品の使用促進政策を推進していく構えを示しています。

日本のジェネリック医薬品のシェア

ライフサイクル曲線

しかし、実際のライフサイクル曲線の形は、産業ごと、製品ごとに異なり得るものです。

例えば、デザイン性の高い衣服など消費者の嗜好が変わりやすい製品においては、販売と同時に売上が急速に伸びるため、成長期の曲線が急な立ち上がりを示すものになります。

しかし、そうした製品においては、成熟期は短く、すぐに衰退期に入り売上が急落します。

他方、生活必需品であれば、ある程度の売上の変動はありつつも、一定程度の売上を長期間にわたって維持し続けるような曲線となります。

従来の日本市場における医薬品のライフサイクル曲線は、米国市場におけるライフサイクル曲線とは大きく異なっていました。

日本市場における医薬品のライフサイクル曲線を、米国市場における医薬品ライフサイクル曲線と比較することで、日本市場においては、売上ピークを過ぎた後の売上の減少は米国市場に比べて緩やかであることを示しました。

具体的には、売上のピークを迎えるまでの期間は、米国市場では発売後9年であるのに対して、日本では発売後12~13年であり、製品寿命を終えるのは、米国市場では発売から14年後であるのに対して、日本では発売から25~26年後でした。

つまり、従来の日本市場では、販売開始から売上のピークを迎えるまでの期間と製品寿命のいずれも長かったのです。

こうした日本市場と米国市場における医薬品ライフサイクル曲線の違いの背景には、ジェネリック医薬品の普及率の違いがあります。

米国においては、すでに1990年代にはジェネリック医薬品は広く利用されつつあり、2000年代の前半にはそのシェアはすでに50%を超えていました。

しかし、そのころの日本においては、ジェネリック医薬品の認知度は低く、そのシェアは30%にも満たないものでした。

また、医薬品の品質や安定供給の点での懸念が指摘されていたため、日本市場においては、ジェネリック医薬品が参入したとしても、先発医薬品がそのシェアを急速に失うことはなかったのです。

しかし、近年、その状況は変わりつつあります。

政府によるジェネリック医薬品使用促進策の実施により、日本においても、ジェネリック医薬品の数量シェアは増加し、2013年10月~2014年9月においては49%となっています。

この数値は、欧米諸国と比べると低いものの、日本においても従来よりもジェネリック医薬品が普及していることを示しています。

その結果、日本市場における医薬品のライフサイクル曲線の形状は、米国市場におけるライフサイクル曲線に近い形に変化しつつあります。

実際、2011年や2012年にジェネリック医薬品が登場したコレステロール低下剤や降圧薬においては、1.5年~2年でその売上数量が半減しており、2000年代にジェネリック医薬品が上市された医薬品よりも、急速に売上が落ちています。

つまり、日本においても、近年は、ジェネリック医薬品の参入により先発医薬品の売上は大きな影響を受けているといえるのです。

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1985年生まれで医学・薬学・性・Webの知識を高める為に日々勉強。
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