改良医薬品の開発で莫大な利益を生むブロックバスター

 
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原崎 (HARASAKI)
1985年生まれで医学・薬学・性・Webの知識を高める為に日々勉強。
自分の経験・知識で、悩みのある人を元気に、安心を与えられればと、その気持ちを原動力に医学を学んだ結果、婚期を逃し今に至ります。

視力:0.1
好きな眼鏡の色:黒
口癖:ちくしょうっ・・・

改良医薬品の開発と製品価値の向上

もちろん、改良医薬品についても、製造販売を行うには薬事承認を取得する必要があります。

しかし、改良医薬品の研究開発は、新有効成分含有医薬品の研究開発に比べて、短期間・低コストで実施することが可能です。

これは、有効成分の効果や安全性については、新有効成分含有医薬品の薬事承認を取得する際に、すでに臨床試験などで確認されているため、新有効成分含有医薬品に比べて基礎研究や非臨床試験に必要な期間が大幅に短くなることが大きな要因です。

つまり、新有効成分含有医薬品の研究開発のみならず、改良医薬品の研究開発を実施することで、医薬品の研究開発に伴うリスクを低下させることが可能となるのです。

こうした改良医薬品の研究開発による医薬品の価値向上と研究開発におけるリスクの低下は、ジェネリック医薬品に対抗するためにきわめて重要になります。

これは、改良医薬品の研究開発が、ジェネリック医薬品に対する参入障壁の構築・強化につながることが理由です。

莫大な利益を生むブロックバスター

莫大な利益を生むブロックバスター

ブロックバスターの存在意義

改良医薬品の研究開発によりある程度リスクを低下できるとはいえ、新有効成分含有医薬品の研究開発のリスクが高いことに変わりはありません。

巨額の研究開発費を投じる必要があり、さらに、成功率がきわめて低い新有効成分含有医薬品の開発に先発医薬品企業が挑むのはなぜでしょうか。

それは、新たな有効成分を含有する医薬品の開発に成功すれば、大きな利益を得ることが可能となるからです。

特に、市場ニーズが大きい医薬品の研究開発に成功すれば、その売上は日本国内だけでも年間1,000億円を超え、全世界で売上を伸ばす医薬品となると、その総売上は年間1兆円を超えることも可能です。

このように、国内外で大きな売上を達成するような大型医薬品はブロックバスターと呼ばれ、その研究開発に成功するか否かは、先発医薬品企業の命運を分けます。

それまでに有効な治療薬がなかった疾患、あるいは、治療薬は存在していたものの効果が十分ではなかった疾患に対して、優れた効果を示す有効成分の開発に成功した場合、その医薬品はブロックバスターとなる可能性が高いといえます。

 最近では、2015年に販売が始まった、「ハーボニー/Harvoni」と「ソバルディ/Sovaldi」というC型肝炎の治療剤をブロックバスターの例として挙げることができます。

C型肝炎は、C型肝炎ウイルスの感染が原因となって発症するものです。

C型肝炎ウイルスに感染すると、約70%の感染者が持続感染者となり、慢性肝炎、肝硬変、肝がんと進行します。その治療には、長年、抗ウイルス療法として、インターフェロン療法が用いられていました。

その後、リバビリン/Ribavirinとインターフェロンとの併用、さらに、他の有効成分を追加した3剤併用療法が用いられるようになりました。

しかし、インターフェロンによる治療は副作用が強く、しかも、必ずしも治癒するとは限りませんでした。

C型肝炎の治療を受けている患者は日本国内では50万人程度ですが、肝炎症状がない感染者は150~200万人もいると推測されています。

さらに、全世界においては、約1.7億人の感染者が存在すると推定されています。

つまり、インターフェロンによる副作用のないC型肝炎治療薬というのは、非常に多くの患者が必要とするもので、特に市場が大きい治療薬といえるのです。

そのような状況において登場したのが、別の記事で紹介をした「ハーボニー/Harvoni」と「ソバルディ/Sovaldi」でした。

これらは、いずれもインターフェロンを使わず、さらに、全世界においては、約1.7億人の感染者が存在すると推定されています。

低い製造原価率

低い製造原価率

新しい有効成分の研究開発には多額の費用が必要となりますが、研究開発に成功し、ひとたび製造方法が確立すれば、医薬品自体は工場による大量生産が可能であり、その原価は非常に低くなります。

企業や製品ごとに多少の変動はありますが、その製造原価率は20%台といわれています。

つまり、1,000億円の売上を達成する医薬品であれば、その製造原価は200~300億円であり、残りの700億円以上は粗利益となるわけです。

もちろん、この700億円の中から研究開発費やマーケティング費などを支出するため、営業利益はもっと低くなりますが、一般的な製造業の原価率は70~80%ですから、この点において医薬品の利益率は非常に高いといえます。

このように、高い売上額と低い製造原価率のおかげで、ブロックバスターの開発に成功すれば莫大な利益を得ることが可能となるため、世界中の先発医薬品企業は、巨額の研究開発投資を行いながら、新たな有効成分の研究開発を進めているのです。

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1985年生まれで医学・薬学・性・Webの知識を高める為に日々勉強。
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