医薬品開発はハイリスク・ハイリターンに加えてジェネリック医薬品の脅威がある

 
医薬品開発
この記事を書いている人 - WRITER -
原崎 (HARASAKI)
1985年生まれで医学・薬学・性・Webの知識を高める為に日々勉強。
自分の経験・知識で、悩みのある人を元気に、安心を与えられればと、その気持ちを原動力に医学を学んだ結果、婚期を逃し今に至ります。

視力:0.1
好きな眼鏡の色:黒
口癖:ちくしょうっ・・・

医薬品開発はハイリスク・ハイリターン

医薬品産業は、その特徴をこのタイトルにある一言で言い表す事が出来ます。

1つの新薬の開発成功率は、約30,000分の1といわれていることからも、新薬の研究開発は非常に成功率が低い事がわかります。

日本の製薬企業により2009年~2013年度の間に合成された医薬品候補の化合物は728,512個ありましたが、そのほとんどは研究開発の過程で有効性や安全性の点で問題が生じてしまい、実際に医薬品として市場に出たのはわずか25個の化合物のみでした。

また、1つの新薬の研究開発に要する期間は9~17年と非常に長く、必要な研究開発費は300~1,000億円とも言われております。

このように医薬品の研究開発は、成功率が極めて低いのみならず、長期間にわたり膨大な費用を投じることが求められるのです。

しかし、ひとたび大型新薬の研究開発に成功すれば、その売り上げは日本国内だけでも年間1,000億円を超えます。

そうした大型新薬はブロックバスターとばれており、例えば2015年における日本の国内売り上げ上位4製品の「ハーボニー(Harvoni)」「アバスチン(Avastin)」「プラビックス(Plavix)」「ソバルディ(Sovaldi)」は、いずれも国内の年間売り上げが1,000億円以上であることからブロックバスターに該当します。

全世界で売り上げを伸ばすブロックバスターとなると、その総売り上げは年間1兆円を超えることも可能となります。

「ハイリスク・ハイリターン」に加えて、医薬品産業にはもう1つ大きな特徴があります。

それは、ジェネリック医薬品の存在です。

ジェネリック医薬品とは?

ジェネリック医薬品

ジェネリック医薬品とは、すでに販売されている新薬(先発医薬品)と同一の有効成分を同一量含量し、効能・効果、用法・容量が原則的にその先発医薬品と同じ医薬品の事です。

先発医薬品と同一の有効成分を含有するものであることから、研究開発に必要な期間は3~5年と先発医薬品に比べて短く、研究開発費も約1億円程度で済むと言われております。

ジェネリック医薬品の価格は先発イオ薬品の約50%以下と低く抑えられており、日本政府は医療費の中で一定の割合を占める薬剤費を効率化するため、ジェネリック医薬品のシェアを80%にすることを目標として掲げており、ジェネリック医薬品使用促進策を強力に推進しています。

先発医薬品企業にとってはジェネリック医薬品は大きな脅威

ジェネリック医薬品と先発医薬品

先発医薬品と同じ有効成分と効能・効果を発揮し、しかも格安で市場に出回るため、先発医薬品のシェアはジェネリック医薬品に奪われ、その売上は大きく減少しています。

そのため、先発医薬品企業にとっては、ジェネリック医薬品の参入を阻止することが非常に重要な課題となるのです。

ジェネリック医薬品の参入を阻止するためのものとしてもっともよく知られているのが「特許権」となっており、特許権で医薬品の参入を阻止します。

医薬品の特許権とは?

医薬品の特許

特許権とは排他的独占権であり、ある医薬品を保護する特許権を取得すれば、他社がそれと同じ医薬品を製造した場合、特許権の侵害となります。

つまり、先発医薬品企業が自社の医薬品を保護する特許権を取得すれば、ジェネリック医薬品の参入を阻止する事が可能となります。

例えば、新たな有効成分を開発した場合、特許庁に対して特許出願を行い、審査を受けることで所定の要件を備えていることが確認されれば、その有効成分に関して特許権を取得することができます。

有効成分を特許権により保護すれば、その有効成分を含有する医薬品を他社が製造することは特許権の侵害になるため、ジェネリック医薬品企業はジェネリック医薬品を製造販売することが出来なくなります。

ただし、特許権は永遠に続かず、特許出願を行った日から20年という期限があります。

特許権が消滅した後にはジェネリック医薬品の上市が可能となり、それに伴い先発医薬品の売り上げは大きく低下します。

こうした特許権による医薬品の保護の基本的な仕組みは、それほど複雑なものではありません。

しかし、先発医薬品企業が実施しているジェネリック対抗戦略は、非常に複雑で手の込んだものなのです。

そして、先発医薬品企業は利益を最大化するために医薬品ライフサイクルマネジメントを実施しています。

医薬品ライフサイクルマネジメントとは?

医薬品ライフルサイクルマネジメントとは、研究開発の着手から製造販売の終了までの間に医薬品に対して実施されるマネジメントのことです。

このマネジメントにおいて特定の手段を用いることで、ジェネリック医薬品の参入を戦略的に阻止する事が可能となるのです。

具体的には、先発医薬品企業は次の3つの手段を組み合わせた医薬品ライフサイクルマネジメントを実施する事で強固な参入障壁を構築して、効果的にジェネリック医薬品の参入を抑制して利益を最大化を図っています。

ジェネリック医薬品を参入を抑制する3つの方法

1.改良医薬品の開発と薬事承認の取得に伴う市場独占

2.複数の特許権による医薬品の保護

3.特許権の存続期間の延長

以上の方法を用いて先発医薬品企業はジェネリック医薬品の参入に対抗措置を行っております。

具体的な方法は、恐れ入りますがこちらでは割愛させて頂きます。

医薬品開発とジェネリックのまとめ

先発医薬品企業は、医薬品の開発に成功すれば大きな利益が生まれますが、失敗すると多大な時間と労力が失われる事もあります。

積み重ねた実績とノウハウをもとに次の開発に取り組み成功したとしても、ジェネリック医薬品の脅威が待っております。

その対抗戦略として改良医薬品の開発や市場の独占、特許権の延長や複数取得などなど、研究開発と特許保護の2つの観点から解説をさせて頂きました。

次回は、医薬品の研究開発の特徴とジェネリック医薬品の現状、ジェネリック医薬品が先発医薬品の売上に与える影響などを解説致します。

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1985年生まれで医学・薬学・性・Webの知識を高める為に日々勉強。
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